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板金部品
 
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特集記事

宇宙産業の厳格納期と戦う由紀精密様が
部品設計・調達スピードを短縮した方法とは

ロケットエンジンに使用するインジェクターの試作モデル

今回の特集記事では、航空宇宙関連、医療機器関連部品の試作・量産ならびに受託開発を行っている、株式会社由紀精密様(以下、由紀精密様)にお話を伺いました。

1950年に創業された由紀精密様は、当時通信機等に使う小さなねじを中心に製造されていましたが、その高い技術を活かし2006年度中盤以降、航空宇宙の部品加工に進出され、現在は航空宇宙関連事業の売上比率を50%以上までに成長させてこられました。

一度打ち上げたら直すことができないという宇宙環境下でのものづくりに挑戦し、成長されてきた由紀精密様。さらなる成長に向けての課題とその解決方法、将来描く未来について取材させていただきました。

STORIES01

絶対に納期を遅らせることができない、それは宇宙開発の宿命

設計エンジニア 永松 純 氏

—新たな分野で成長されている由紀精密様。さらなる高い技術力、信頼の向上に向けて意識していることは何ですか?

設計エンジニア 永松氏:
やはり、納期の絶対厳守です。
我々が携わる宇宙事業において、絶対にロケットの打ち上げタイミングは遅らせられません。
打ち上げ前にはあらゆる安全審査があり、全てをクリアしておく必要があるため、審査のスケジュールや審査で使う治具の手配も、当然遅らせることはできません。
宇宙に飛ばす衛星部品が完成していても、治具一つ遅れるだけで、飛ばすことができなくなります。
そのため、ロケット打ち上げのタイミングはもちろん、一つ一つの試験の納期は重要です。

代表取締役社長 大坪 正人 氏

代表取締役社長 大坪氏:
私たちは極力、自社でなくてはできない付加価値の高い業務に集中したいと考えています。設計者に関していえば、彼らはクリエイティブな集団であり、本来的な設計業務に時間を使うべきで、それが会社の競争力に直結すると思います。
例えば治具設計は、モデルの設計後に二次元図面を書き、社内と社外の加工会社どちらであればその部品を作れるかを考え、注文書を作成する。その一連の流れ作業は、部品が簡単でも複雑でも発生します。
このようなやり取りは、本来的な設計を行っている時間より相当多く、極力減らしていきたいと常々意識しています。

STORIES02

meviy(メヴィー)で納期が今までの半分に、それは大きなインパクトだった

—そんな中で出会ったのがmeviyだったわけですね

設計エンジニア 永松氏:
そうですね、まずは納期のインパクトが大きかったです。
最近はどこの加工会社も込み合っており、切削プレートであれば、発注してモノが届くまで、早くて2週間、だいたい3週間以上かかっていました。
発注するモノの形状にもよりますが、meviyでは最短6日で届くため、大変助かっています。
納品後の組み立て作業は必ず発生しますし、我々の顧客もプロジェクトを急いでいるので、今までの半分の納期で手元に届くのはすごいですよね。

meviy(メヴィー)とは

ミスミが提供する「meviy」は、3DCADデータをアップロードするだけで、即時見積もり・注文、最短3日出荷で切削プレートや板金部品などをお届けする画期的なWEBサービスです。しかも、導入費なしで今すぐお使いいただけます。
サービスの詳細をご覧になりたい方は以下の「詳細はこちら」よりご確認ください。引き続き、実際にお使いいただいた由紀精密様の声をご紹介します。

またさらに驚いたのは、見積もりが一瞬で出てくることです。切削プレートの見積もり日数は、段取りの回数などで変わってきますが、通常、最低1日はかかると思います。しかし、meviyなら加工の時間などを自動判断し、すぐに見積もりが出てきます。このフィードバックの早さは、納期厳守の宇宙開発でもかなり助かっています。

由紀精密様も導入している
STORIES03

実際にmeviy(メヴィー)を使ったからわかる、そのすごさ

3D設計している様子

—3Dデータでのものづくりに、変化を感じたとは?

設計エンジニア 永松氏:
3Dデータを使ったものづくりは、これまで3Dプリンタで出力することが主流だったと思います。
しかしmeviyはその3Dデータで、通常の切削や板金の加工品ができる。今までにないサービスだなと思い、ちょっとこれは面白いぞと社内で話題になりました。

今までの感覚では、切削や板金の加工を行うモノは二次元図面作成がやはり必要で、公差情報や加工内容を伝えるプロセスは必須。ところがmeviyは、3Dプリンタのように3Dデータをそのままモノに直結できる感覚、必要な情報はWeb上で全部伝えられる。
それはこれまでとは違う、ものづくりが変わるタイミングが来たのでは、と感じました。

meviyに初めて3Dデータをアップロードした時は、どのようにモデルが認識されるのか?見積もりが表示されるのか?といった興味と、寸法の公差や軸に対するはめ合い公差、寸法がどこまで設定できるのか気になりました。
しかし、使ってみると基本的な公差情報を押さえられていて、非常に設定がしやすく、私たちが汎用的に使う部品であれば特に問題なく発注でき、しかもその設定範囲は予想以上に細かい。本当に驚かされました。

meviyでの公差指定について

板金部品と切削プレートの公差詳細は、以下よりご確認ください。

実際に発注をした時は、一体どんなものができるのかやはり不安でしたね。他の設計者も同じ気持ちだったからか、meviyで注文した製品が一番最初に届いたときは、みんなが集まってモノを観察しながら、ワイワイ盛り上がりました。
いい意味で、普通の仕上がり。「普通」は少し変な表現かもしれませんが、普通であることが一番良く、公差もちゃんと入っており、寸法も出ていました。面取りもきれいでした。
何の問題もなかった、期待通りです。

「この部品、また設計してるなぁ自分…」と、思ったことが2回、3回ある方は、一度meviyを試して欲しいですね。3Dデータでモデリングしました、はい!見積もり出ました、〇日後には届きます!というこのスピード感。一度体験されると、癖になると思います。

由紀精密様も導入している
STORIES04

図面レスになることで、ものづくりがガラッと変わるかもしれない

—meviyを使ってみて、ものづくりが変わるかも…という実感はありましたか?

設計エンジニア 永松氏:
20年くらい前から、二次元図面がこの世から無くなるんじゃないか?と言われていました。ところが、どうしてもなくなりません。それは、二次元図面の中に付加されている情報が意外にたくさんあるからだと思っています。

しかし現在、meviyが初めて二次元図面がなくてもモノが作れる!ということを証明したことが驚くべきことだと思います。これから先、meviyがどんどん進化していくことによって、設計のやり方や、ものづくりのやり方が、どこかのタイミングでガラッと変わる可能性があるんじゃないかなと考えています。

STORIES05

meviy(メヴィー)のような新しいものを取り入れ、次のステージに進みたい

—由紀精密様の未来はどのようなものでしょうか?

代表取締役社長 大坪氏:
世の中の進化は常にしていて、同じ事ことをやっていては、世の中の進化に追いつかれ淘汰されてしまいます。そのため、世の中の進化や便利なものは、積極的に使っていきたいですし、それができていない部分は自分たちがやっていく。それが理想です。
だからmeviyのような新しいものを取り入れて、どんどんチャレンジし次のステージに進んでいきたいです。

世の中が常に変化しているからこそ、私たちは「変化すること事態が普通の状態」になるように取り組んでいきたい。だからこそ、meviyのような製造業の課題を解決し、後押しするようなサービスは今後も活用していくべきだと考えています。

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